どうしようもない不安感
いよいよ「緊急事態宣言」発動の可能性が高くなってきました。
東京都ではロックダウン不可避とまで言われています。
つまり「首都封鎖」です。
緊急事態宣言が出されると、首相権限で直ちに実行することも可能になるのです。
関西在住ではありますが、いよいよ対岸の火事では済まされない事態になりつつあります。
遠い外国の話ではなく、狭い土地にたくさんの人がひしめき合って住む小さな島国の話なのです。
マスクやトイレットペーパーの買い占めもまだ完全には解消されないまま、今度はスーパーでの食料品の買い占めがすでに始まっています。
なんと踊らされやすい事でしょうか。
何も学ばなかったのでしょうか。
とはいえ、そういったパニックに陥った人たちを一概に責めることもできません。
だって正確な情報もなく、明確な指示もなく、各自の判断に委ねている現状なのですから。
ここ数日、なんとなくイヤな予感がして(この予感、コロナ騒ぎが始まる数日前に感じたものと同じ感覚)ニュースを追いかけていたのですが、日本がなんとなくユルイと言うか、危機感が薄いと言うか、他所ごと感があるのはなぜだろうと感じていた原因に、ふと思い当たりました。
それはイギリスのジョンソン首相の、英国民全員に向けた演説動画を見ていた時です。
英語を聞き取れる訳もないですから日本語字幕を見ていたところ、まず始めに感じたのは「わかりやすいけれどずいぶん強い言葉を使うんだな」と言う感覚。
「ここ数十年で最大の脅威」
「目に見えない殺人者」
「家にいなくてはならない」
「〜しなくてはならない」
「〜するべきではない」
これはダメ、あれもダメの羅列が続き、違反者には警察が対応、罰金などの罰則もある。
しかし、政府はこれだけは絶対に守らなければならないということがわかっている、そのことも強烈に伝わってきます。
「国民保険サービス(NHS)をできるだけ正常に機能させること。」です。
これは英国国営の医療サービスシステムのことです。
とにかく医療崩壊を防ぐことが最優先であることを理解しているのがわかります。
同時に経済への打撃に対する補償もすでに用意されていることも挙げられています。
ほんの6分ほどの短い動画ですが、首相自らが国営放送で熱く強くきっぱりと言い切るのです。
おそらく英国でもこれらの政策に対する反発は当然あるだろうし、それも考慮した上でのこの発表。
国民はなにをするべきか、何をしてはいけないかが明確に強烈に伝わってきました。
日本での感染爆発の予想は来週、3/31から始まると言われています。
これはウイルスの潜伏期間や今までの政策を時系列に考え、それに対する国民の動きなどから予測された日付で、文献を読む限りではかなり正確に言い当てているのではないかと感じます。
「その時」が来たら、日本の首相もあのような演説ができるのでしょうか。
あれほどのリーダーシップを発揮して、国民に対して明確にきっぱりと指示できるでしょうか。
そこに不安があることが、現在の危機感の薄さにつながっているのではないかと気づいてしまったわけです。
難しい言葉で遠回しな表現。
忖度と責任の所在がわからない言い回しばかりで、これまでとこれからがまったく伝わってきません。
オリンピック延期が決まった途端に感染者数の正確な数字を発表し始めた(急に増えた)、などのうがった意見もありますが、もしそれが本当なら、つまり正確な情報なのであれば、すでに感染爆発の予兆は始まってしまっています。
学校も仕事も休みでヒマになったから、きっと空いているであろう街に出てウインドウショッピングでもするか!いつもなら混んでて入れない有名店も今なら入れるだろう!花見も今年は空いてるだろう!
臨時の休日を楽しく過ごす、そんなことは言ってられない事態にもうすでになってしまっていることに気がつかなければならないのに。
そこをはっきりと明確に伝えなければならないのに。
疫学の研究者や医療従事者ばかりがどんなに危機を伝えても、今ひとつ上手く伝わらないのはそういった背景があるのではないかと感じてしまうのです。
ここまで書いたことは全て、私個人が感じたことであって、正しいかどうかはわかりません。
無闇に不安を煽るつもりはありませんが、危機感の薄さを怖いと感じているのは事実です。
この、はっきりと言い表せない不安感はまるで、阪神大震災後に感じた「いつになったらこの事態は改善されるのかわからない」不安とよく似ています。
どうか私の感じていることが間違いでありますように。